ご依頼者様からお預かりした生地はニットでした。
ニットは洗うと縮むので、受け渡しまでに日にちがありましたので、洗濯していただいて時間短縮に協力していただきました。
ニットは伸縮性があるので、通常、専用のミシン糸、針、芯、裏地(使う場合)を使います。
私は以前、今回の物と似ているニットでTシャツ、スカートを作りました。
このセットのニットより今回の生地は厚くてしっかりしています。
実は、このセット、ニット用ではなく普通地のミシン糸で縫ったんです。ロックミシンの糸も普通生地用。
Tシャツは3枚作って、1枚自分が着ているのですが、全然問題ありません。
この生地も大丈夫じゃないかなぁ。
ニット用の糸や芯等、揃えるのは簡単ですが、私は「出来るだけ安く仕上げたい」と考えています。
ファストファッションのお店には勿論敵いませんが、特にカジュアルな物はコストを抑えて、ご依頼者様の負担を減らしたい。
手持ちのものだったら、「材料費はまとめて○○円で良いですよ。」と言えます。
※私のご依頼頂いたものの製作代は「型紙代+縫製代+材料費・経費」。
新しく糸を購入した時はワリカンにしています。
アイロンをかけて、整えた後、端を少しカットして、手持ちの糸や芯を使えるか、実験します。
①まず、使いやすいように生地を整えます。
ニットは切ったら端が丸まります。
丸まったら縫いづらいですね。
丸まった所(縫い代になる所)スプレー糊をかけてアイロンをかけ、平らに伸ばします。
・・・平らになりました。
②次は通常の芯が使えるか、試します。
普通地の芯を縦方向(伸びない)とバイアス(伸びる)で貼って、ニットの伸びについていけるか見ます。
・・・バイアスは良く伸びます。大丈夫です。
③では次はミシン糸。違和感なく縫えるでしょうか。
縫ってみて、生地を伸ばした時、突っ張ったり切れたりしないでしょうか。
ミシン目を普通地より少し大きくして縫って、色々な方向に引っ張ってみます。
・・・大丈夫。
試し縫いが小さいから、ということはないでしょうか。
もっと長めに縫ってみます。
・・・引っ張っても大丈夫です。突っ張る感じもありません。
④次はロックミシンの試しです。
・・・縫い目はニットを引っ張っても大丈夫です。
いろいろ試した結果、以前のTシャツセットの時と同じように、針目を大きくするだけで、普通に縫えるようです。
ご依頼者様の希望で、後ろ、ネックラインを2cm下げたのですが、
そのお陰で、前後を逆にしても着られるようになりました。
前
後ろ
裏の仕様。
ネックラインは見返し。
腕ぐりは共布で作ったバイアステープ(※補足)。
※バイアスではなく横地で取っています。試したら、横方向で、充分伸びましたので。
見返しは身頃の肩の縫い代にまつりつける。
ポケットはだんだん伸びて、だらしなくなるのが嫌なので、使っていない時は留めておけるよう、スナップボタンを見えない位置に付ける。
まとめ。
最初の型出し。
変更
縫い上がり。
余談。
縫い代にたっぷり糊を付けていましたので、縫い上がったら洗ったのですが、
干そうと思って広げたら、プリントが消えていて、ビックリ。
無地になっていました。
Σ( ̄□ ̄|||)💦 ど、どうした!・・・どうする・・・
乾いたら、徐々に模様が復活してきました。
もう・・・やっちまったかと、肝が冷えました。
良かった。(;^_^A
幅広のニットだったので、少し余りました。
小物ではなく、簡単な単品が出来そうです。
お聞きしたら、出来たらTシャツを、との事でしたので、どんなものができるか、調べて提案したいと思います。